详细介绍
関西在住の僕がシティポップという言葉を初めて聞いたのは、ちょうど地元の奈良から大阪の大学へ通い始めた頃だった。“シティ”という響きにいまいちピンと来なかったのは、“シティ=東京”というイメージを持っていたからだろう。身近には対抗都市としての大阪があったが、それは決して“シティ”と呼べるような洗練されたアーバンなイメージはなく、無理矢理栄えさせたようにごった返した急造の“地域”にしか思えなかった。ただ、その違和感が“シティ”に対する憧れのようなものを引き起こしていったのも事実で、ある程度大阪という街を知り、「東京はどんなところなんだろう」と想像を膨らますにつれ、音楽の趣向もシティポップへと寄り添うようになっていった。またそれと同時に、頭の奥底では「シティポップは東京近郊に住まないと分からないのではないか」という、悔しさにも似た疑問が肥大してゆくのも感じていた。